火星の砂漠をはるばると

たしか3月18日の事だったと思う

朝起きてカーテンを開くとそこは異世界だった

 

南西から吹く風が舞い上げた砂煙で、100m先の建物が完全に視界から消失していた

どうやら知らぬ間に火星へ移住してしまったようだ

しかし私は慌てなかった。いつも通りの時間に起き、いつも通りに身支度を済ませると、母が車での送迎を進言してくれた。なんとありがたい。

 

片道七分の火星旅行

車窓を埋める一面の砂景色が春の訪れを告げていた

 

2024年03月23日(執筆時間5分)